至上の宝
エイプリル なあ、レント。前から一つきいてみたかったんだが。
レント 何だ、エイプリル。キミが珍しいな。
エイプリル ノエルとトランと大首領――お前にとって、一番大事なのは誰だ?
レント ノエルと兄さんと大首領……。ふむ、難しいな。ノエルはわたしの生まれた意味そのものと言っていいし、兄さんはわたしの最愛、大首領にいたっては言わずもがな、わたしの存在全てをささげる尊い方だ。
エイプリル トランに対しての愛は兄弟愛だよな?
レント それ以外何がある?
エイプリル いや、ならいいんだ。 それで話は戻るが……あえて比べたらどうだときいてるんだ。
レント 比べようがないな。月並みな言い方で悪いが。
エイプリル ああ、つまんねぇな。
クリス ……何の話をしていたんだ?
エイプリル ああ。かくかくしかじか――というわけでな。
クリス ……まあ、それはしかたがないだろ。同金額の宝を三種集めてどれが一番価値があるかときいているようなものだ。
エイプリル ……つまりそれぞれがレントにとって至上の宝。だからこそ比べようがないってわけか。
レント 助言に感謝する、クリス。……だが一つだけ訂正させてほしい。
クリス ん?
レント わたしにとって比べようがない至上の宝は三種ではなく四種だ。
エイプリル ……うれしいこと言ってくれるじゃねえか。
クリス レントにとっての四種の宝。ノエル、トラン、大首領……そして私たち仲間、か。
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Scribble <2011,01,16>