プレゼントしたい
マルセル ……。
ドラン マルセル、何をして――
マルセル ……っ!? なんだ、ドランか。
ドラン いったい何を見ていたナリ?
マルセル ……なんでもない。
ドラン ……ああ、ホワイトデーのプレゼントナリね。
マルセル な、何を言って!? 私はそんなもの見てなんかいない!
ドラン いや、きらきらデコレーションのお菓子ワゴンの前で言われても全然説得力が……。
マルセル 見ていないといったらいないんだ!
アキナ ……あ、マルセルにドランだ! 何してるのこんなところで?
マルセル ……!? わ、私は帰る!
〜〜ホワイトデー当日〜〜
アキナ あ、そうだ、マルセル。これあげる。(綺麗にラッピングされたお菓子の袋を手渡す)
マルセル アキナ……これは?
アキナ この間、お菓子屋さんの前でいたから、これが欲しかったのかなって。こういうのって男の人が買うのは恥ずかしいのかなって思ったから、代わりにあたしが買ってきたの。いつもお世話になってるからプレゼントするね。
マルセル ……あ、ありがとう。
アキナ どういたしまして♪
(遠くから)ギィ おーい、アキナー。どこだー?
アキナ あ、ギィが呼んでる! ちょっと行ってくるね。
マルセル あ、ああ。
アキナを見送ってから、服の隠しから彼女にもらったのとまったく同じお菓子の包みを出す。
マルセル せっかく恥をしのんで買ってきたのに――どうしよう、これ……。
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Scribble <2010,03,21>