認めない
ギィ お前、本当にアキナに甘いよな。
ドラン 同感ナリ。
マルセル ……執務中に押しかけてきて、かつ書類に囲まれている私を見て言うセリフがそれか。
ギィ だって……なあ?
ドラン ……ナリ。(うなずく)
マルセル だいたい。アキナに甘いのはお前たちの方だろう。
ギィ そりゃあ、アキナは俺らのリーダーだし。それに頑張ってる女の子には優しくしてやるもんだ。
マルセル そう思うなら好きなだけ甘やかしてやれ。
ギィ いや、だから。アキナに甘いのはお前もだろ。
ドラン 正確にはマルセルはアキナさんにだけ甘いナリ。
マルセル ……どこがだ。
ギィ アキナが来たらわざわざ茶をいれてやるんだろ。……俺たちには出さないのに。
マルセル ……アキナは特訓の合間に顔を出すからな。水分を差し出してやるのは普通だろう。
ドラン でも、ここに用意してる茶葉はアキナさんの好きなものナリね。
ギィ お前の好みはこれじゃなかったはずだよな?
マルセル ……。
ギィ それにこの茶菓子だって。
マルセル それがどうかしたのか。
ギィ これ、俺ももらったから知ってるけどクッキーの詰め合わせだったよな。
ギィがクッキーの入っている器を指差す。……その中には不自然なほどに一種類のクッキーばかりが残っている。
ギィ 好き嫌いはないはずなのにコレばっかり残ってるのは不自然だろ。
ドラン しかもアキナさんの好きなクッキーがピンポイントで。
マルセル ……。
ギィ ……認めろ、色男。
マルセル ……うるさい。
[▲MENU]
Scribble <2011,01,09>