Promise

大首領の悩み事


大首領 うーむ……。
ユージン 何を悩んでおる。
大首領 いや、なに。今度の祭りでは何の仮面をつけようか、と。
ユージン …………は?
大首領 神殿のやつらが闊歩するだろう祭りで、この気品あふれる仮面をつけていたら騒ぎになるだろう?
ユージン まあ、騒ぎにはなるだろうな。
大首領 人々の楽しみである祭りを中止させるようなことはあってはならないからな。この仮面をつけるわけにはいかん。
ユージン 素顔ではいかんのか。
大首領 指名手配された身だ。
ユージン しかしお前はすでに死んだとされた身だ。手配書なぞ残っておるまい。
大首領 む……。
ユージン しかもディアスロンド教皇がお前たち夫婦の罪は冤罪であったと謝罪したのではなかったか?
大首領 しかし、わたしは!
ユージン 口調が昔に戻っておるぞ。
大首領 ぐ……。
ユージン お前が望みさえすれば、妻や娘と暮らすことも出来るだろうに……。
大首領 しかし、わた……余は自らの正義以外を認めようとしない、今の神殿のやり方を認めることは出来ぬ。
ユージン だからこそのダイナストカバル、神殿の正義に反する悪の組織、か。
大首領 うむ。
ユージン まあ、いい。お前があくまでも志をつらぬくというのであれば、儂も付き合うとしよう。
大首領 すまない。
ユージン いや……。
大首領 ところで、だ。
ユージン なんだ?
大首領 この蝶の仮面はどうだろう?
ユージン 待て。まだその話は終わっていなかったのか!?
大首領 当たり前だ。話はそれてしまったが、もともとその話をしていたはずだ。
ユージン ……(大きなため息)。お前、少し楽しんでいないか。
大首領 せっかくの祭りだからな。
ユージン …………それはやめておけ。悪だなんだの前に、それでは変人だ。
大首領 む。ではこれはどうだろう?
ユージン いや、だからな? 祭りでそれでは人が逃げると……。
 
 ……結局ユージンの説得により、祭り定番のお面になりましたとさ。
 (蝶のマスクのイメージはパピヨンマスクで!)

[ ←BACK || ▲MENU || NEXT→ ]
Scribble
 <H20.04.13>