Promise

たとえばこんな父子再会


ノエル あ、あそこに焼きそばの屋台がありますよ!
クリス そうですね。そろそろ昼時だしあそこの焼きそばを食べますか。

フードを被った店主 いらっしゃい。いくつにしますか……っと。フォア・ローゼスの面々か……。
ノエル え? あたしたちを知ってるんですか?
店主(?) 儂だ。
クリス ユージン!
エイプリル ……あんた魔族だろう。どうどうと焼きそば売ってていいのか?
ユージン 意外に大丈夫なものだな。
クリス 大丈夫なんだ!?
エイプリル どうどうと出店をする魔族。新しいというか物悲しいというか。
ノエル じゃ、ユージンさん。焼きそば四つください!
ユージン いや、少し待っていなさい。
ひょっとこ面の男 今戻った。……ノエル!?
ノエル え? どなたですか?
レント …………もしや、大首領?
ノエル ええ〜!? お父さん〜!?
エイプリル ……なぜひょっとこ面。
大首領 あの仮面ではあからさまに不審者だろう?
クリス 悪の大首領が何言ってるんだ……。
エイプリル というか自分で言うなよ。
レント それよりも、だ。大首領自ら屋台をせねばならないとは……。我組織の経済事情はそこまで悪いのか。
大首領 我財産の大半が不時着、半壊したのでな。
レント 申し訳ありません……!
大首領 いや、よいのだ。しかしレントよ、そろそろ戻ってこぬか。
レント 大首領のご命令とあれば……。
ノエル ……お父さん!
大首領 ん?
ノエル レントさんをノエルにください!
大首領 ぶっ!
ユージン 落ち着け、大首領。いいではないか、好きにさせてやれ。娘の警護につけたといえば皆も納得するであろう。
大首領 だが……。レント、お前はどうしたいのだ?
レント わたしですか。わたしとしては……お嬢様のそばにいたいと。
大首領 レント〜! そこは『大首領の元に戻りたい』と答えるところだろうが!
レント いえ、自らの気持ちを偽って報告するのは不敬かと思いまして。
大首領 その通りだが。……それだけ感情に目覚めたと喜ぶべきか。……ノエル、レントはお前の好きにしなさい。
ノエル ありがとう、お父さん!
大首領 なにやら複雑な気分だ……。
クリス ……レント。お前、物扱いだぞ?
レント 別に問題ない。
エイプリル 問題ないって。お前な……。
レント 『大首領の物』、『お嬢様の物』であるなら、わたしには何の異存もない。
エイプリル ……お前がいいならいいんだが。
ノエル これからも一緒に旅をしましょうね、レントさん!
レント はい。わたしはお嬢様と共に。(ノエルに寄り添っている)
クリス ……ある意味幸せなのか、な?



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 <H20.01.13>