Promise
ノエルの悩み
ノエル ……。
エイプリル どうした、ノエル?
ノエル いえ、ちょっと……。
ノエルの視線の先にレントがいる。
エイプリル レントがどうかしたのか?
ノエル ……レントさんがすごく優しくて。
エイプリル それが?
ノエル 思い出しちゃうんです、トランさんのこと。
エイプリル 思い出すことは悪いことじゃねえだろ。むしろ忘れるほうが悪い。
ノエル でもね、レントさんを見て、トランさんのことを思い出すのは……レントさんに悪いなって。
エイプリル ……。
ノエル それだけじゃないんです。この頃はレントさんにトランさんを感じるようになってしまって……。
エイプリル (そういや、だんだんトランっぽくなってきたな。……人格の主軸はレントみたいだが)
ノエル ひどい、ですよね。レントさんはレントさんなのに……。
エイプリル そうだな。
ノエル ……。
エイプリル お前がレントなんかどうでもいいなら、トランの影だけを見てるというならひどい話だ。……が、違うだろう?
ノエル ……違う、と思います。
エイプリル あいつはトランの後継として生まれ、フォア・ローゼスに来た。だからあいつにトランを感じるのも仕方ないさ。
ノエル そうなんでしょうか……。
エイプリル ああ。(っていうかトランだしな)
ノエル エイプリルさん、あたしは……どうすればいいんでしょう?
エイプリル さあ、な。俺はお前じゃないから、お前に適した答えは選んでやれない。
ノエル ……そう、ですよね。
エイプリル だがな。お前はレントにトランの影を感じつつも、レントはレントとして見たいと思っている。そのことは間違いじゃないさ。
ノエル ……少し、気が楽になりました。
エイプリル そうか。なら、レントの所に行ってこい。さっきからずっとこっちをにらんでる。
ノエル ……はい!
エイプリル ……やれやれ。トランに口止めされたとはいえ……もどかしいな。
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<H20.05.18>