親友との語らい
2
ユミル じゃあ、次は僕の番だね。……てや!
レンポ うわ! 危ねえ!?
レクス ……っ!
ユミル あれ? ダーツが消えちゃった。
レクス あのなあ、ユミル。どーやったら真後ろに飛ばせるんだよ。
ユミル へ? ……あ、ああ!?
預言書のあった場所にダーツが突き刺さっている。どうやらレクスが間一髪よけてくれたらしい。
ミエリ あぶなかったねー。
レンポ なんか俺……こいつのこと見直したかも。
ウル それにしてもこのコントロールの無さ……。射撃系の技だけは預言書が手助けしていたみたいですね。
レクス ったく。気をつけろよ?
ユミル うん。……じゃあ、二投目!
レクス ……うわっ!?
ユミル 三投目!
レクス ……って危な!?
ユミル あれ? ダーツがない。
レクス なあ、ユミル……。やっぱり俺のこと、恨んでるの、か?
ユミル 恨んでなんか……って、なんでダーツが全部レクスのコンマ二ミリのとこに刺さっているの!?
レクス …わざとじゃないのか?
ウル むしろ狙ってやったのなら素晴らしい腕前です。
ユミル わざとじゃないよ! 僕はレクスのこと恨んでなんかないもの。
レクス 本当に?
ユミル 本当だよ。……まあ、僕を信じてくれなかったのはちょっとムカつくけど。
レクス ……は?
ユミル 僕、言ったよね? 預言書で死者を生き返らせることは出来ないって。なのにキミは……。あ、なんか思い出したらムカムカしてきた。レクス、ちょっと一発殴らせて。……ていうか殴らせろ。
レクス ……そうだな。俺はお前に殴られても仕方ない……って、なんだその手の光は!?
ユミル あ、これ? プラーナだよ。大丈夫だよ、たぶん死んだりしないから。
レクス たぶんってなんだ!?
ユミル レクス、逃げないで。……僕の愛を受け止めて?
レクス 拳固めたまま、悲しそうな声でささやくな!? っていうか男の愛はいらん!!
ユミル 友情だって愛の一種だよ? というわけでこれ以上は問答無用!
レクス ギャー!
ネアキ ……(生きてる?)
ウル 生きてますね。うまく加減したようで
ユミル あー、すっきりした! レクス生きてる?
レクス ……げほ、かは! い、生きてるよ。ってーかやり過ぎだろ! (ユミルのほっぺたをむにーっと引っ張る)
ユミル いひゃいいひゃい! れもよかった。いつものレクスにもろった。
レクス ……は?
ユミル いつまでも引きずるなんてレクスらしくないよ。……言いたいことは言い合って、やり合う時はやり合うのがいつもの僕たちでしょ。
レクス あ、ああ。……でも。
ユミル それとも僕はもうキミの親友じゃいられないのかな?
レクス ……それは俺のセリフだろ。
ユミル 僕はレクスのこと親友だと思ってる。キミは僕の事を……。
レクス ……親友だ! 親友に決まってるだろ!
ユミル うん。……よかった。
ミエリ 仲いいねー。
ウル ……ですね。
レンポ でもさー、ここまでくると、ちょっとひくよな……。
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