筆記者 イルフェス
 姫様がお願いしてたけど、男の入国は認められなかった。
 いやったー!
 入っていい、俺も行かなきゃならないと言われたらどうしよーかと思ってた!
 でも、姫様が一人は寂しいからってウイを連れていったんだけど、大丈夫なのか?

まあ、わざわざ身体検査までしないだろうし、ウイリルはどちらかというと可愛らしい顔立ちをしているから大丈夫だろう。…アル
早く帰って来ないかなー? …イル


  筆記者 エレニス
 久しぶりに戻った故郷はほとんど変わっていませんでした。
 もちろん穏やかに時の流れるマレアイアにも変化はあります。一つは結婚し、島外に出ていく人がいたこと。この人には依頼を通じて星花の貝殻をお渡ししました。
 もう一つは、いとこがわたしを追ってマレアイアを出たということ。あの子はまだウイリルさんより若いのに大丈夫でしょうか。

大丈夫だよ。きっとどこかで会えるよ。…ウイ
姫様を追って出たんなら、カザンに向かったのかも。…イル
あり得るな。酒の材料もそろったし、一度カザンに帰るか。…アル


  筆記者 ウイリル
 ポータルを目指す途中、ゼザに物資の補給に立ち寄った。そのついでに少し休憩しようということになって、イルと海岸沿いに散歩していたら、古いマレロ語で会話しようとしている女性に出会った。
 幸い僕はマレアイアでマレロ語を教えてもらっていたから意味が理解できた。
 遠泳していたところを波に流されて、ここまで漂流してしまったんだって。
 マレアイアに帰りたいらしいけど……戻ってもいいかな?

もちろんかまいませんとも。…エレ
ああ。もちろんだ。言葉の通じない土地では何かと不安だろう。早く連れていってあげよう。…アル
連れて戻るのはいいけど……俺は相手しないからな? …イル


  筆記者 アルファム
 ポータル・セスからカザンに帰る途中、突然呼び止められた。誰かと思って振り向けば、弟のカールスだった。傍らにはケイシーと名乗る、紫の髪の少女。……偶然とはおそろしい。旅の道中に知り合ったというその少女は姫のいとこであるという。
 姫の親族が無事でよかったが……私たち兄弟の両親は三年前の竜災害で亡くなったらしい。
 両親の死も知らず、三年もグースカ眠っていた私は親不孝者だな……。

そんなことはありませんよ。今の兄さんの活躍を聞けば父さんたちも誇りに思うはずです。…カル
そうそう。元気を出して、アル兄様。…ケイ
 ↑兄様? …アル
  ↑嫌ならやめるけど? あ、あたしのことはケイシーって名前で呼んでね♪ …ケイ
   ↑嫌ではない。了解した。…アル
正真正銘のプリンセスであるケイシーは呼び捨てで、一介のヒーラーであるわたしを『姫』ですか。いい加減その呼び方やめにしません? …エレ
無理です。…アル
無理! …イル
くせになっちゃってるから無理だよ。…ウイ


  筆記者 ウイリル
 以前から頼まれていた幻の酒の材料が手に入った。マスターに渡したんだけど……あんなにすぐに出来上がるとは思ってなかったよ。
 もちろん、その夜はみんなを呼んで宴会になった。
 町の人たちもおじさんやカールスさん、キリートさんもケイシーも呼んでみんなで大騒ぎした。
 幻のお酒というからおいしいのかと思って飲んでみたけど……おいしいとは思えないな。一口飲んだだけで頭がくらくらする。
 度数が強いのはみんなにとっても同じみたいで、みんな次々にダウンしていった。……というか姫様、飲まないから飲めないと思ってたけど、お酒強いんだね。

わたしは酔えないから飲まないんですよ。酔えないお酒はただのカロリーでしょう? …エレ
俺、頭痛い……。…イル
私もだ。だが、昨日の酒は楽しい、いい酒だった。…アル




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