旅日記７

　　筆記者　イルフェス

　ヒヨンロンの滝の水を取りに行った。なんでもここの水は万病に効くんだと。本当かどうかはともかく、俺は泉の水の方がよく効くと思うんだけどな。
　でかい魔物は大半倒してたから、さくさく進んで滝の水を汲んで帰った。
　で、早速依頼主の主人のおっちゃんに飲んでもらったんだが、たしかに元気を取り戻したみたいだ。
　このまま元気になればいいな。

だが、あの水は結局ただの水なのだな。…アル
病は気からというしね。あの水が支えになるならそれでいいんじゃないかな。…ウイ
どんな高価な薬も、信じなければ効き目が鈍くなってしまいことがあります。その逆もそう。ただの水でも、その人が心より信じれば万能の薬となりえます。それ以上に、あの方には献身的に看病してくださる方がいます。それがなによりでしょう。…エレ

　　筆記者　アルファム

　世界協定を結ぶためにプレロマに行くことになった。
　なったのだが……。

これで日記終わり！？…イル
そっとしておいてあげようよ。アルファムさん、へたりこんでたじゃないか…ウイ
高い所苦手なんですね。…エレ

　　筆記者　エレニス

　プレロマの学長であるエメル氏にお会いしました。
　アルファムさんの顔色が最悪だったので、気持ちを落ち着けてもらうために、プレロマの中を一通り見てから会見することをノワリー氏にお願いしました。
　わたしたちが昏睡していた三年の間に色々なことが調査されたのですね。しばらくはここに滞在して勉学に励んだ方がいいかもしれません。

心配をおかけしてすいません、姫。…アル
でも意外だよな。おっさんが高い所がダメなんて。…イル
でももったいないよね。飛空挺なんてめったに乗れないのに部屋にこもっちゃうんだもの…ウイ
昔、三階から落ちてひどい捻挫をしたことがあってな。それ以来高い所は苦手なんだ。…アル
それはトラウマになるなあ。…イル
むしろ三階から落ちて、よく捻挫だけですみましたね……。…エレ

　　筆記者　ウイリル

　プレロマで船を貸し出された。無事に港町ゼザに着いたのはいいんだけど敵が強すぎて砂漠は越えられなかった。……というか入り口辺りで逃げ帰った。
　しばらくは航海に慣れるためにも、海上で鍛練をつもうか。

よく生きて帰れたよな。…イル
竜の乱入三連発ですものね。…エレ
南海に行く航海術も教えてもらったし、そっちに足をのばすか。…アル
――船でも足をのばすって言うのかな？ …ウイ

　　筆記者　アルファム

　南海を航海して鍛練を重ね……ふと気づけばずいぶんと遠出をしていた。この辺りの敵は私たちには強く、しかしゼザに戻るには遠く離れ過ぎていた。
　姫のおっしゃるには、戻るよりもマレアイアに行く方が早いそうなので、そちらに向かう。
　しかしマレアイアは女性だけの国だときく。私たちはどうすればいいだろうか……。

行きたくない行きたくないイキタクナイ。…イル
最悪、物資の補給だけでもできればいいね。…ウイ
一応はわたしからもお願いしてみます。…エレ